ネットオークションの経緯
「ネットオークション」というと「ヤフオク!」を指すことが多く、日本では、ネットークションの市場をヤフオク!が席巻しています。アメリカで、この分野ですでに成功していたeBay(イーベイ)が、かつて、日本にも参入しましたが、2002年にヤフオク!との戦いに敗れ、完全撤退しています。
この撤退を機にヤフオク!が市場をほぼ独占し、それまで無料だった出品にも課金するようになりました(出品手数料)。この課金により、一時期、他オークションへユーザーが流れていきましたが、やはり、参加ユーザー数に格段の違いがあるため、結局、そのユーザーたちもしぶしぶヤフオク!へ舞い戻ってきました。
eBay以外にも、Bidders(ビッダーズ)オークション 、キュリオシティオークション、ライブドアオークションなどがネットオークションの市場から撤退していきました。
ヤフオク!は成熟期
ヤフオク!も今は成熟期に入り、昔のように出せば売れる時代は完全に終わり、出しても売れない、売れても入札1で終了するオークションがほとんどです。これは、圧倒的に出品者が増えたこと、落札者が賢くなったこと、オークション以外のネットショッピングサイトが充実したことなどが原因です。
今は、本当に欲しいものに自分が欲しい価格で入札し、落札できなくてもかまわないという姿勢(落札できなくても次で落札できればいいという姿勢)で参加しているユーザーが多く、以前のように入札者同士がバトルし、価格が高騰することは少なくなってきています。
手数料の比較
ヤフオク!が他オークションと比較して、手数料がずば抜けて高いというわけではありません。ただ、これまで(2013/10/06まで)、長年、出品手数料(出品するだけで出品者に課金される手数料)を課しているのは、ヤフオク!だけでした。
その出品手数料も、2013/10/07に、「ヤフオク!0円宣言」により、突如、無料化されました(一部の特殊カテゴリを除く)。おそらく、他オークションに対抗するためというより、同時にオークションストアや、ヤフーショッピングの出店が無料化されたことを考えると、アマゾンや楽天に対抗した策だと思われます。
オークション名 | 会員費 (参加費) | 出品手数料 (出品ごとに課金) | 落札手数料 (落札価格に応じて課金) |
---|---|---|---|
ヤフオク! | 498 円 / 月 | 0 円 (※1) | 8.64 % (※2) |
楽天オークション | 0 円 | 0 円 | 6.48 % |
Bidders(ビッダーズ) - 撤退 - | 0 円 | 0 円 | 2.625 %(撤退当時) |
WANTED(ウォンテッド)オークション | 0 円 | 0 円 | 0 % (課金されない) |
ぐるぐるオークション | 0 円 | 0 円 | 0 % (課金されない) |
アイ・オークションネット | 0 円 | 0 円 | 0 % (課金されない) |
ジャスニコオークション - 撤退 - | 0 円 | 0 円 | 0 % (課金されない) |
GIVE YOU(ギブユー) - 撤退 - | 504 円 / 年 | 0 円 | 0 % (課金されない) |
アダルトオークション | 0 円 | 0 円 | 0 % (課金されない) |
※1 | 自動車車体などの特殊カテゴリを除く |
※2 | 624円以下のオークションは、一律54円 |
ヤフオク!
「Yahoo! JAPAN」が運営するオークションサイトです。ネットオークションで一番有名であるため、多くのユーザーにアクセスしてもらえることが利点です。長年に渡り、大きなトラブルもなく、安定的にサイトを運営しています。
2006/05/21に違法出品の取り締まり強化や、システム増強などを理由に落札手数料を従来の3%から5%に値上げしましたが、実情はあまり変わっていません。
2013/10/07に、他オークションサイトや、アマゾンマーケットプレイスへのユーザーの流出を防ぐためか、突如として、出品手数料が無料化されました。
2016/02/16に、Yahoo!かんたん決済の手数料の無料化を盾に、落札手数料が5%から8%へと大幅に値上げされました(税込み8.64%)。2013/10からの出品手数料の無料化がじわじわと効いたのかもしれません。
楽天オークション
「楽天」が運営するオークションサイトです。会員費(参加費)や出品手数料がかからないので、売れるかどうか分からないものでも、とりあえず、出品しておけるのが利点です。
また、楽天市場のユーザーが楽天オークションへと流れてくるので、ヤフオク!とは違う客層を形成し、ヤフオク!で売れないものでも、楽天オークションでは売れるということがあるようです。