なぜネット銀行が良いのか?
「ネットから振込み、取引明細が確認できる」、「振り込み手数料が安い」、「同行間なら曜日、時間に関係なく24時間振込みができ、即座に反映される」という点です。
非ネット銀行も、今では、ネットから手続きができるようになっているのが普通です。ただ、非ネット銀行の場合、別途、ネット開設のために手続きが必要な場合がほとんどなのに対し、ネット銀行にはその手間がありません。また、ネットに特化しているため、ブラウザからの操作環境も洗練されています。
ネット銀行の特徴として、「振り込み手数料が安い」という点を挙げましたが、他行に振り込む場合は、決して安くなく、むしろ高い傾向にあります。「安い」というのは、「同行間」に限っての話です。
ヤフオク!ユーザーは、このネット銀行の同行間の振込みの「手軽さ」と「安さ」に慣れているため、振込み口座として、ネット銀行(特に、ユーザーに親しみがある「楽天銀行」「ジャパンネット銀行」の2行)があると、安心してオークションに参加してもらえる面があります。
ネット銀行のみはやめましょう
但し、「ネット銀行のみ」を支払い先として設定している場合、素性が怪しいと感じることが多いようです。普通の生活をしていればネット銀行だけしか持っていないということはなかなか考えられません。ゆうちょ銀行の口座も持っているでしょうし、都市銀行や地方銀行のいくつかの非ネット銀行口座を持っていると考えるのが普通です。
その口座を公開しない、もしくは持っていないのはなんとなく怪しい感じを出品画面から匂わせてしまいます。
また、オークションの代金を一つの銀行の口座に集めたい場合でも、それは「自身の都合を落札者に押し付けている」ということになります。支払い先の口座を複数用意し、オークションの参加者のそれぞれの立場で利用しやすい口座を選べるようにしたほうが親切です。
Yahoo!かんたん決済を支払い先として設定しましょう
意外に多いのが Yahoo!かんたん決済 を支払い先として設定していない出品者です。経験的に言ってYahoo!かんたん決済を利用する落札者の方は、殿様傾向が強いです。殿様とは落札額をちまちま上げるのではなく、終了日数日前に高額で入札する人のことを言います。
「殿様」は振込手数料がいくらかとか送料がいくらかとか、そういう細かいことはあまり気にしません。こういう殿様は使い慣れているクレジットカード決済(Yahoo!かんたん決済)を利用することが多く、クレジットカードを利用できない場合は入札を避けられることがあります。極少数しか存在しない殿様を逃してしまうのは大変もったいないことです。
ダメな出品とは?
地方銀行しか用意していない
地方銀行や信用金庫のみの振込先しか用意していない場合、落札者によっては、振り込み手数料がとても高くなってしまう場合があります。
また、支払い先を複数用意していないことから、「取引自体が親切心に欠けるのでは?」と思われ、入札が敬遠される傾向にあります。落札者に気持ちよく取引してもらうためにも複数の口座、特にネット銀行の口座を持つことは重要です。
送料を出品画面に明記していない
送料を出品画面に明記していないことは致命的です。入札しようとしている人は「現在の価格 + 送料 + 振込手数料」を考えて、この商品の値段は安いかどうかを判断します。その送料を明記していないことは、入札を自ら拒否しているようなものです。必ず、送料は記載するようにしましょう。
落札者はよほど欲しいものでない限り、送料を明記していない商品の落札によるリスク(落札後に選択できる発送方法は、「ゆうパック一律3,000円」、「ぞうさん運輸着払い」、「駅の改札越しで投げ渡し(遠投)」などのリスク)は避けるでしょう。
最強ダメコンボの出品とは?
振込み先が「地方銀行のみ」、Yahoo!かんたん決済の設定が「ない」、写真の掲載が「ない」、送料の記載が「ない」、かつ、商品に対する説明がなく「ノークレームノーリターンでお願いします。」など出品者の主張のみが書かれている出品です。この出品者の商品は、なかなか落札してもらえないでしょう。
ネット銀行
今、日本にあるネット専業銀行の内、ヤフオク!利用者に多く利用されているのは、「楽天銀行」と「ジャパンネット銀行」の2つです。その2つの後を追う形になっているのが「住信SBIネット銀行」です。
楽天銀行
【特徴】 同行間なら振込み手数料が無料! でも、お金を引き出すのがけっこう大変、振込み作業も毎回面倒くさい・口座維持手数料は発生しない
・キャッシュカードは別途申し込む必要がある
・ハッピープログラムで会員ステージが「ビギナー」(一番下位)の場合、ATMから無料で引き出せない
楽天銀行同士なら振込み手数料がかからないため、オークションの代金を支払う際には大変重宝します。また、楽天銀行口座への入金も、ゆうちょ銀行本人口座から、入金金額に関係なく手数料無料で何回でも入金できます。ただ、引き出すには、ゆうちょ銀行本人口座へ振り込むか(手数料103円)、キャッシュカード(楽天銀行キャッシュカード)を別途申し込む必要があります(発行手数料は、以前は、有料でしたが、2015/05/09現在では、無料)。
キャッシュカードを別途、申し込んで作成しても、ATMからお金を引き出すには、通常、216円 〜 270円の高い手数料がかかります(「ハッピープログラム」という楽天銀行特有の手数料優遇措置のプログラムの会員ステージによっては、月1〜5回まで無料になる場合があります)。また、ハッピープログラムの会員ステージが一番下位の「ビギナー」(預金が10万円未満)の場合は、月のATM利用の無料回数が「0回」のため、ATMから無料で引き出せません。左記の場合は、ゆうちょ銀行本人口座への振り込んだほうが、結果的に手数料が安く済みます。
補足 - 楽天銀行の振込みが面倒くさい
2013年頃から、振込みをする際のセキュリティが強化され、振込先の情報の他に「ワンタイムキー」(60分だけ有効な一時的なパスワード)と「生年月日」の入力が必要になりました。振込み先を設定し、確認ボタンから次のページに進んだ上で、
1.「ワンタイムキーを送信する」のボタンを押して、
2. ワンタイムキーをメーラーで受け取り、
3. それをコピー&ペーストで入力し、
4. さらに、生年月日を入力する
という作業をした上で、振込みを実行しなくてはいけなくなりました。
振込みの度に、毎回、この作業をしなくてはいけないので、楽天銀行の振込みはとても面倒くさく感じます。確かにセキュリティ面は強化されたと思うのですが、毎回「生年月日」を入力させる必要性に疑問を感じます。ワンタイム認証(ワンタイムキー)だけで良いのではないだろうか?
ジャパンネット銀行
【特徴】 同行間なら振込み手数料が安い・・・けど、54円かかる、ATMは月1回無料なので、タイミングを見て月1で利用・口座維持手数料は発生しない
・キャッシュカードは無料で発行
・ATMから月1回は無料で引き出せる
実際に、ヤフオク!に参加してみると、ジャパンネット銀行を入金先として選択されることが多く、少なくともヤフオク!参加者には一番愛用されているネット銀行と言えます。
これはヤフオク!の発足当時、ジャパンネット銀行の口座を開設すれば、月の参加費(Yahoo!プレミアム会員費)が無料というキャンペーンを長い期間実施していたため、昔からの参加者の多くがジャパンネット銀行口座を持っているということが原因のひとつとして挙げられます。
また、キャッシュカードは口座を開設すれば郵送してもらえ、かつ、「セブン銀行」や「イーネット」の各ATMで月1回は、無料(但し、月2回目以降は、162円 〜 324円の高い手数料がかかる / 一度に「3万円以上」引き出す場合は、2回目以降も無料)で引き出すことができ、便利です。
また、オークション出品者に多い個人事業主、あるいは法人向けの「ジャパンネット銀行 ビジネスアカウント 」もあります。ビジネスアカウントなら個人事業主の方は屋号付き口座名を持つことができます。
補足 - トークン、ワンタイムパスワードについて
ジャパンネット銀行で振込みをするときなどは、予め決められた暗号表の数値などではなく、トークンという装置(下の写真参照)を利用して、「ワンタイムパスワード」を入力します。このトークンによるワンタイムパスワード(60秒間しか有効でない一時的なパスワード)を利用することにより、今までの仕組みに比べてセキュリティ精度が格段に上がりました。
例えば、アカウント(ログインパスワード)をスパイウェア(悪意を持ってユーザー情報を盗もうとするソフトウェア)や、キーロガー(悪意を持ってユーザーのキーボードの操作を記録して盗み出す機器やソフトウェア)によって盗まれただけでは、預金を引き出されなくなります。預金を盗まれる場合は、トークンの実物を盗まれ、かつ、アカウントを盗まれた場合に限られ、家に泥棒に入られる以外では、まず起こりえません。
住信SBIネット銀行
【特徴】 他行への振込み手数料が月1回は無料! ATMからの入出金が月2回は無料!(←ランクに応じて変動)・他行への振込み手数料が、月1回は無料(ランクに応じて変動)
・口座維持手数料は発生しない
・キャッシュカードは無料で発行
・セブン銀行ATM・イオン銀行ATM・ゆうちょ銀行ATMなどから月2回は無料で引き出せる(ランクに応じて変動)
2016/01から、これまでの「他行への振込み手数料が月3回まで無料」の制度は廃止され、楽天銀行と同じように、ランクに応じて、無料で振り込める回数が変動するようになる「スマートプログラム」が導入されます(スマートプログラムの導入は2016/01からですが、利用状況の判定があるため、実施は2016/02から)。
「スマートプログラム」の最低のランクの場合は「月1回」だけになります。おそらく、住信SBIネット銀行的に、これまでの「月3回まで無料」は、つらかったのだと思います。分かります。
最高ランクの4の場合は、月15回無料ですが、住宅ローンなどを契約していなければならないため、ほぼ、該当する人はいないと思います。そもそも、月15回も振り込みません。
ほとんどの場合、最低ランクの1になると思われ、その場合、「月1回だけ」になります。ただ、条件を見ると、30歳未満の場合は、(1,000円以上の残高があれば)ランク2になるようで、若い方は、優遇されています。なお、ランク2の場合は、これまで通り月3回になります。
2016年からは、ガクっと、ユーザーから見た利便性が下がりますが、それでも、月1回は、「他行への振り込み手数料が無料」という制度を残してくれました。やや、感謝しています。ATMからの入出金も月2回は無料になります。これも、JNBより1回多いので、まだまだ他行よりは利便性があるように思えます。
補足 - ヤフオク!はなぜ同じグループなのに住信SBIを推さないのか
なぜ、同じソフトバンクグループなのに、ヤフオク!は「住信SBIネット銀行」を推さずに、ジャパンネット銀行ばかり推すのだろうと常々思っていたんですが、「住信SBIネット銀行」は、元々、ソフトバンクグループではなかったと分かりました。「SBI」は、現在は、「ストラテジック・ビジネス・イノベーター」というよく分からない言葉の略称ということになっています(元々は、「ソフト・バンク・インベストメント」だったものを、SBIがソフトバンクグループから独立するときに、無理やり、変えた模様)。